紙資源節約のためにできること

違う。リサイクルシステム自体は、たしかに優れているし、そこで働く方々も立派な信念をもっていらっしゃる。しかし、なにかが違うのだ。

ご希望する各家庭に無料で配られるNTTの電話帳。その発行部数はなんと年間1億2000万部にもなる。ベストセラーもかなわない発行部数だ。それだけに、使われる紙の量も半端ではない。約10万トン。わが国の紙の総使用量の0.3%を占めている。森林資源の節減が叫ばれているおり、NTTグループと取引先の製紙メーカーでは、純正パルプの使用量削減のために、古い電話帳を新しい電話帳用紙に再生する「クローズドループリサイクルシステム」を2001年よりスタートした。

「ベストセラーにもかなわない発行部数」「10万トン」「国の紙の総使用量の0.3%」
すごい数字だ。で、記事ではこの後、こんなに大量の紙をいかにリサイクルするかに焦点が向けられるわけだが。
本当に紙資源を節約しようとするのであれば、高度なリサイクル技術を検討する前に、まずは、印刷物としての電話帳にどれほどの需要があるのかを知る必要があるのじゃないかなぁ。
我が家では紙の電話帳を「ご希望」したことはないし、紙の電話帳を使って番号を調べることは、ほとんどない。インターネットタウンページなどがあれば、別に紙の電話帳はいらない。なのに、次々と印刷され、配布されてくる、電話帳。
もちろん、紙の電話帳を必要とされている人もたくさんいると思うし、そういう方には今まで通り配布すればいいと思うのだけど、僕のような必要ない人にはそもそも刷らない、配布しない。その分、電話の基本料金を年間数百円でも値引きしてくれたらさらにうれしい。たったこれだけで、数千トン、数万トンの紙資源の節約ができたりするかもしれないのに。

電話帳の社会史
田村 紀雄

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