バトル・ロワイヤルII 鎮魂歌

なんなんだ、この映画は。
順番としては、BR1原作、BR1映画、BR2原作(ノベライズ?)、BR2映画の順に観たり読んだりしたのだけれども、個人的採点は順に、10点、7点、3点、0点というように、回を重ねる毎に顕著に悪しくなっていく珍しいケース。
突っ込みどころは多々あるけれども、敢えていくつか挙げるとすると。
まず登場人物の背景が全く描かれていない。描ききれていない、ではなく、描かれていない。原作に盛り込まれている、各登場人物の葛藤や恨みなどが、映画にはまったく皆無。予備知識なしに映画を観た人は、北野や黒澤、スナイパー・サキの心の内など、到底理解不能であろう。
次。BR1では、友情や愛情の芽生え、不条理な体制への反抗心といった、新たに生まれる感情(良い感情、悪い感情の違いこそあれ)があったと思う。2では、創造はない。一切ない。すべての登場人物が被害者意識を原動力とし、憎しみと暴力と殺戮に走るのみ。
次。攻める側も攻められる側も、戦略なさすぎ。ただただ、「うぉーー」とかいって飛び出して銃を撃ちまくる。ありえへん。1では、物陰から怯えながら的を射るという、極限状態における恐怖心と慎重さもそれなりに描かれていたのだが、今回は勢いだけ。かつ、それでも主人公は生き延びる不条理。
まだまだ書けそうだけど、今日はここまで。
僕の尊敬する坂本竜馬(in 竜馬がゆく / 司馬遼太郎)の教えによると、どんなに人を殺めても、それは単なるクーデターにしかすぎず、なんら前進することはない(だから今はやりの新撰組は、僕の中では殺人鬼が主人公のドラマにしか映らない。毎週見てるけど)。そして、BR2を観た直後に、マドリードの惨事があった。怒り増幅。BR2は永遠に封印すべし。

バトル・ロワイアル 2 鎮魂歌(レクイエム)外伝

おすすめ平均
これはただの戦争映画ではない
神戸みゆきさんの演技がすごい
息づかいが聞こえる


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