近江商人

たまたま僕の生まれ育った町が近江の国なだけで、両親ともにもともとは新潟の出身なのですが、それでもやはり気になる「近江商人」の生き方。そんなわけで読んでみた一冊。

近江商人―現代を生き抜くビジネスの指針
近江商人―現代を生き抜くビジネスの指針 末永 国紀

中央公論新社 2000-05
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江戸から明治にかけて、こんなにたくさんの偉人が近江にいたんだということに、改めて驚かされました。今までに何度繰り返し読んだかわからない、司馬遼太郎氏の「竜馬がゆく」にもたびたび出てきた、桂小五郎や井上馨といった長州の志士が、明治維新後に政府の高官になり、考えられないくらいひどい仕打ちを近江商人に対して行っていたと言うことを初めて知り、ちょっと長州人に対する印象が変わってしまいました。
そしてなにより心に残ったのは、近江商人の商いに対する心構えです。

売買に関する基本的な見方は、問屋業らしく目先のことにこだわらないで取引先のことも配慮して、長期的平均の趨勢を見ることが大切である。派手な短期的取引を激しく繰り返していかにも働きがあるようにみえても、そのような取引によっては、ついに安心を得ることはできない。先の見通しも持たずにただ眼前の利に気をとられて右往左往し、見切り時を誤るようでは、少なくとも「商人の器にあらず」

株や外為に投資するときにも忘れてはいけない長期スタイルですね。肝に銘じます。

たとえ天秤棒を担いだような小商人といえども、自分のことばかりでなく、世の中の一員としての自覚を持って、不義理や迷惑をかけないように絶えず周囲や世間の人々のことを思いやりながら、苦労を厭わずに懸命に働けば、立派に商人として認められ、やがて相当の身代を築くことができるものである。

これも胸に響きました。自分がしている仕事の大小は関係ないですね。
他にもしっかり覚えておきたい名言がたくさんありました。近江商人については引き続き勉強していこうと思います。
この本に貼った付箋は6枚でした。

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