「Web2.0マーケティング戦略」に行ってきた

先日の金曜日、大手町の日経ホールで開催された、日本経済新聞社が主催するセミナー「Web2.0マーケティング戦略」に行きました。無料のセミナーだったのでさほど期待はしていなかったのですが、いくつかおもしろい収穫が得られました。ラッキー。
基調講演は、最近の著書「グーグルGoogle―既存のビジネスを破壊する」(過去記事参照)の売れ行きが好調という、佐々木俊尚氏。Overtureなどのロングテール系広告を活用することで売上を倍増させた中小企業という、著書の中でも紹介されていた事例を数個紹介した後、最近、佐々木氏が注目しているWeb2.0的なサービスを3つほど挙げられていました。
一つめは「mF247」。音楽好きにはすでに知られたサイトだと思いますが、インディーズのアーティストと、それを聞きたいユーザーをマッチングさせるサービスです。
今時の音楽業界では、アーティストとリスナーの間に、商業主義のレコード会社やプロダクションが存在していて、彼らが「儲かる」と判断した作品のみが市場に流通する仕組みになっているそうです。対してmF247では、アーティスト側がいくらかの参加費を払って、自分たちの作品をオープンな市場に掲載し、リスナー側は無料でそれらの作品を楽しむことができます。多くのリスナーに支持されたアーティストが世の中に出ていくのでしょう。このサービスは僕はまだ使ったことなかったので、さっそく使ってみたいと思いました。
二つめは「サンプル百貨店」。新商品のサンプルを適切なターゲット層に配布したい企業側と、それを試用してみたいユーザー層とをマッチングさせるサービスです。
「世界No.2の営業マン」として著書を出している日本人女性がいますが、このサービスを立ち上げたのは、実は彼女の上をいく「世界No.1の営業マン」だったという日本人女性だそうで、その営業パワーを駆使して、数々の優良クライアントを獲得しているとか。的確なターゲットにサンプルを配布し、かつ、良質なフィードバックを顧客側から受け取るというビジネスモデル。企業の「販促費」をうまく取り込むというところがユニークかつ将来性がありそうです。
三つ目は「Posh」。まだサービスは立ち上がっていませんが、これは、ほんの数週間だけライブドア社の代表取締役を務めたあの山崎徳之氏と、同社取締役だった羽田寛氏が、ライブドアを退社して立ち上げた会社「ゼロスタートコミュニケーションズ」社によるものだそうです。
サービス内容は、有名になりたい個人(ネットアイドルとかフリーライターとかかな)と、彼らを金銭的に支持したい個人応援者とをマッチングさせるものだそうです。少しmixiなどのSNSに似ている感じですが、佐々木氏によると「mixiは単なる世間話の場であって、インフラではない。Poshには、SNSがインフラ化する可能性がある」そうです。
セミナーの第二部は、シックスアパートの関氏、フィードパスの小川氏、クインランドの吉村氏によるパネルディスカッションでした。が、司会の経済ジャーナリストと称する女性の不勉強さのため、司会者による的を得ない質問、がんばって答えるパネリスト、それをへんてこに総括する司会者、という、痛々しいものでした……。
関氏は終始、司会者の珍問に困惑し続けていた感じ。小川氏は、高橋メソッドによる高速プレゼンとか、壇上でフィードパスを使ってブログ更新するデモとか、それなりに自分のペースでしたね。
個人的には、クインランド社の吉村社長(ご自身はパネリストの中で唯一のWeb1.0人だと謙遜されていましたが)のパワフルなお話が良かったです。
「Web1.0とは、情報の発信者と受信者が明確に区別されている。ボケとツッコミが明確な宮川大輔・花子だ。」
「Web2.0では、どちらが発信者でどちらが受信者かという区別がない。おすぎとピーコだ(しかも男女の区別もわからない)。」
というような吉村語録も楽しかったですが、クインランド社が実際に運用している中古車情報の検索エンジンとか、地域密着型の情報サイトなど、良くできているなーと感心しました。
最後に、佐々木氏が考えるWeb2.0で稼ぐポイントを3つ。
・ロングテール的広告収益
・企業からの販促費の獲得
・クリックアンドモルタル収益

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2 comments to 「Web2.0マーケティング戦略」に行ってきた

  • 原宿パイ

    POSHはナイと思うんですよねー。
    最上級で飯島愛レベルかなあと。
    愛人募集ツールにならないように祈ってます。

  • こういうのは、いくら技術が優れていても、使う人たちによって
    ダメになるパターンもあれば、技術がそれほどでもなくても、
    想定外の使われ方によって大成功することもありますよね。
    そこがおもしろいところ。
    飯島愛までいければ、ある意味、大成功だったり。

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