Google、破壊者か、全能の神か

佐々木俊尚氏の著書、「グーグルGoogle―既存のビジネスを破壊する」を読みました。このエントリーのタイトルは本の帯に書いてあったコピーです。

4166605011 グーグルGoogle―既存のビジネスを破壊する
佐々木 俊尚
文藝春秋 2006-04-18

by G-Tools

破壊の例として、Google Newsが登場したときの日本の大手新聞社の反応が挙げられていました。新聞社にとっては、自社サイトのトップページへの誘導が少なくなる→バナー広告の収入源といったわかりやすい構図だけではなく、Google Baseと無線LAN網のフュージョンによる折り込みチラシ市場の崩壊、なんていうシナリオも、近い将来ありえないわけではないので、まさにGoogleの姿が「破壊神」に見えてもおかしくないのでしょうね。
また、Googleのアドワーズによって今までにない広告効果を得ることができたという、羽田空港近くの民間駐車場を経営する夫妻と、福井市内のメッキ加工業を営む2代目社長という、2つの中小企業の例が取り上げられており、これが実にリアリティが感じられる話題で、興味深く読みました(本書では触れられていませんが、2社ともオーバーチュアの広告も活用されています)。
個人的にもっともおもしろかったのは、第六章「ネット社会に出現した『巨大な権力』」のパート。悪徳商法マニアックスのGoogle八分事件とかアドセンス狩りといった、Googleのちょっぴりダークな部分が描かれています。
本書にも引用されていた、Googleの社員が発したという名言「オマエ、そんなにカネが欲しいのかよ!」(→新佃島・映画ジャーナル : Google AdSense顛末記(十)
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