第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

たくさんの情報を集めてから判断する場合と、最初の2秒に感じる直感を頼りに判断する場合では、後者のほうが正しい判断ができることがある、という話。

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
4334961886 M・グラッドウェル 沢田 博 阿部 尚美

光文社 2006-02-23
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心理学の用語では「適応性無意識」というそうですが、顕在意識であれこれ悩みぬいた上での選択よりも、潜在意識のレベルでの選択が、正しかったりする。本書にもたくさんの例が挙げられていますが、たまたま最近のニュースでこんなのがありました。

難しい選択を迫られ、何時間もそれぞれの長短をめぐって悩む人は少なくないが、何かを選ぶ時にこのように深く考え込んでしまう人に限って、誤った判断を下しやすく、逆に選択にあまり時間をかけない人ほど、最終的には満足した結果を得られるという、調査結果が発表された。

逆に怖いのは、顕在意識で理論的に判断していると自分が思い込んでいても、実は潜在意識上の何かが故意に判断をゆがめることもあるそうです。それゆえに起こってしまった、悲しい事故も紹介されています。
白人警官によるアフリカ移民虐殺事件 ~ 無罪判決 ~
また、興味深く読んだのは、ペプシとコカコーラを飲み比べる「ペプシチャレンジ」の件。目隠しテストで両方のブランドを飲み比べて、どっちがおいしいかを消費者に選んでもらうテスト、日本でもテレビCMをやっていたと思います。これで圧倒的な支持を得たペプシに対して危機感を抱いたコカコーラは、コークIIという製品を投入、しかし失敗に終わり、コカコーラ・クラシックとして元の製品に戻すという一連の流れです。
特集 ペプシ・チャレンジとニューコーク
個人的な実例でいうと、この本を本屋で手にしたこと自体が、第1感といってもいいかもしれません。あんまり読まないジャンルの本だし、僕の購買歴を反映しているはずのAmazonのおすすめにも出てこないような本なのですが、本屋で目にして、なんとなく気になって、そのままレジに持っていきました。結果的に、とてもおもしろい本だったわけで、この場合は最初の直感が正しかったわけです。でも、その「なんとなく」を理論的に文章にして説明しようとするのは非常に難しくて、無理やり言葉に直そうとすると、「やっぱりこの本に興味ない」となってしまうそうです。
潜在意識については、もう少し掘り下げて勉強してみたいと思う、今日この頃。

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  • 【本】第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい/マルコム・グラッドウェル(光文社)

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